ダイバーシティ・
エクイティ・インクルージョン

ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン

基本的な考え方

住友林業グループでは、行動指針の一つである「多様性を尊重し、自由闊達な企業風土をつくります」に基づき、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)を事業を発展させるための重要な要素の一つとして位置づけています。

多様な人財が持つ、多様な能力や価値観がもたらすイノベーションを新たな挑戦や成長につなぐため、「働く人が活き活きできる環境づくり」を重要課題の一つとして定め、管理部署の年度活動方針や施策に落とし込みマネジメントを行っています。

なお、「住友林業グループ倫理規範」には、人権に関する国際規範に基づき、女性、子ども、先住民、マイノリティー、社会的弱者を含む、あらゆる人びとの人権を尊重することを定めています。

採用活動においても応募者の志向や意欲を重視し、学歴や性別などで選考方法を分けることはありません。海外グループ会社では、人種や性別にかかわらず、現地採用を積極的に推進し、優秀な人財の雇用、管理職への登用を行っています。

社員の懲戒、解雇については、コンプライアンス違反などがあった場合には、就業規則に則り適切に対処し、不当な解雇ができない仕組みを構築しています。

近年、日本国内では少子高齢化などを背景に人財の確保が経営における大きな課題の一つとなっています。住友林業では、こうした考え方を採用活動においてしっかりと発信するとともに、多様な働き方や女性社員の活躍を支援する制度を拡充することで、次代を担う優秀な人財の確保に努めています。

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推進体制

人事部内の独立組織である「働きかた支援室」では各部署と協力して、女性社員や定年再雇用者、障害のある社員、LGBTQなど、多様な社員の活躍や、それぞれの事情に応じたワーク・ライフ・バランスの実現のための活動をしています。

2024年4月には「住友林業グループDEI宣言」を発出し、DEIの推進を改めて社内に発信することで、理解促進を図っています。

執行役員兼務取締役及び各本部長で構成され、執行役員社長が委員長を務める、ESG推進委員会において、中期経営計画サステナビリティ編の中で進捗を管理しています。

住友林業グループDEI宣言

住友林業グループは、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)を事業を発展させるための重要な要素の一つとして位置づけています。
私たちは、新しい価値の創出やイノベーションを目指し、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)を推進します。

Diversity : (ダイバーシティ、多様性)
一人ひとりの多様性を理解し、認め、尊重することです。
性別、年齢、国籍、民族、人種、出身地、宗教、信条、障害の有無、性的指向、ジェンダーアイデンティティ等はもとより、働き方、キャリア、価値観などの多様性を理解し、受け入れます。

Equity : (エクイティ、公平性)
一人ひとりの状況に応じて最適なリソースや機会を提供することです。
誰もが持てる力を存分に発揮できる公平な環境を作ります。

Inclusion : (インクルージョン、包摂性)
一人ひとりが安心して意見が言え、誰もが受け入れられているという実感が持てることです。
お互いを支え、活かし合い、一体感を持つことで、全員で最大限の力を発揮します。

代表取締役 社長 光吉 敏郎

女性の活躍推進

住友林業グループでは、性別・年齢・国籍・人種・宗教・障害の有無にかかわらず、意欲を持った社員が活躍できる職場環境を目指しています。中でも女性社員の活躍に向けて、育児制度・教育研修制度などの充実を図ると同時に、それらの活用推進に積極的に取り組んでいます。

2013年度に「住友林業グループ女性活躍推進宣言」を社長名でグループ全体に発信。それ以降は、この宣言に掲げた方針のもとに取り組みを進めてきました。

2024年4月からは「住友林業グループDEI宣言」のもと、女性社員の活躍推進をDEI推進に発展させて取り組んでいます。

女性管理職比率
2023年度目標
(単体)

7.4%以上

女性管理職比率
2023年12月31日現在
(単体)

6.8%

女性管理職登用に関する数値目標を策定

2014年度には、女性社員のさらなる活躍を推進するため、住友林業では女性管理職登用に関する数値目標を策定。2020年までに女性管理職比率5%以上を目指すことを社内外に発表して取り組みを進め、2023年末時点では6.8%となりました。

2021年には、一般社団法人 日本経済団体連合会が掲げる2030年までに役員に占める女性の割合を30%にする目標を示した「2030年30%へのチャレンジ」に賛同しました。

2022年からは、中期経営計画サステナビリティ編及び女性活躍推進法第3期行動計画において「管理職に占める女性社員の割合を2024年 12月31日までに 8.1%以上」とする目標を掲げています。

ホームアドバイザー向け研修

住宅展示場に勤務するホームアドバイザーを対象に定期的な研修を実施しています。業務内容やお客様対応のポイントをまとめた動画や業務マニュアルを活用することで、「住友林業の家」の窓口として実践に即した業務につながるようフォローアップしています。

また、新しくトレーナーとなる方に向けては、新人ホームアドバイザーの指導育成プログラムを理解し、トレーナーガイドに添った入社時研修を行うことができるようになるよう、会社の概要や接客の基本、電話応対等の研修を実施しています。

2023年度は、延べ56名が受講しました。今後は、お客様の状況や要望に合わせて細やかな対応ができるようオンラインなどを活用したスキルアップ研修も実施する予定です。

女性営業職向け研修

女性社員はライフイベントによる離職が少なからずあるため、多様な働き方が可能となる環境整備が重要であるとともに、スキルの早期習得も必要です。そのため、東海エリアにおいて新たに入社2年目から10年目の営業職の女性社員13人を中心として営業スキルの習得やエリア内や先輩社員との交流、意欲向上を目的とした研修を実施しました。

研修の中では、女性だから話せる話があり、それを強みにできる等の学びや先輩社員のキャリアをモデルとし、これからのモチベーションにしたいとの声が受講者から得られました。

今後は女性営業職の定着へ向けた課題解決ができるようオンラインを活用した情報交換なども実施する予定です。

モチベーションアップに向けた取り組み

人事部働きかた支援室が参加している住宅メーカー情報交換会では、女性営業職交流会と女性技術者交流会をそれぞれ年に1回共同開催しています。

業界でも女性社員の人数が少ない職種のため、企業の垣根を越えて業界全体でロールモデルを共有することや、似た課題を持つ社員と交流することでモチベーションを上げ、活躍につなげることが目的です。

コロナ禍で2020年からは開催できませんでしたが、2023年は4年ぶりの開催となり、女性営業職交流会には11名、技術者交流会には2名の社員が参加しました。

交流会では、ロールモデルの事例発表、グループディスカッションなどを行い、参加者からは、「他社の管理職として頑張っている方の話が聞けて、将来のキャリアの参考になった」、「ライフイベントを乗り越え勤続できるイメージが湧いた」などの感想があがり、モチベーション向上の一助になりました。

女性社員のモチベーションアップに向けた主な取り組み

対象者 内容
営業職 女性営業職定期研修
住宅メーカー合同の「女性住宅営業職交流会」
管理職・管理職候補 新任マネージャー研修(1回/年)、女性リーダー研修(1回/年)
事務企画職 キャリアアップ研修(1回/年)

多様なキャリア形成のための制度

社員が⾃分⾃⾝のキャリアを考え、⾃ら形成することができるよう、FA制度や公募制度、職群転換制度を設けています。⼀定の条件を満たす社員に対し、担当業務変更の希望をかなえることで、能⼒発揮のチャンスとし、働きがいの向上と組織の活性化を図っています。

また、30歳対象の「キャリアデザイン研修30」(希望者)、40歳対象の「キャリアデザイン研修40」(全員対象)、50歳対象の「キャリアデザイン研修 50」(全員対象)と、節⽬の年にそれぞれのフェーズに合ったキャリアデザイン研修を実施し、キャリア形成を⽀援しています。

LGBTQへの取り組み

住友林業では、LGBTQ施策を他者理解と個々人の尊重というDEIの一環として、研修及び制度や仕組みの整備を進めています。

社員の意識醸成

3ヵ年計画で研修を行い、2021年は役員及び人事部・総務部を対象に、2022年は各拠点責任者及び総務責任者全員を対象に、2023年は住宅事業本部の各グループ責任者全員を対象に実施しました。また、eラーニング受講を全社員必須としました。

さらに社内ポータルサイトに各種施策やLGBTQ啓発イベントへの参加情報などを随時掲載することで社員の意識を醸成し、「アライ(LGBTQの理解者、支援者)」を増やしています。2023年はオリジナルアライステッカーを制作し、社員に配布しました。

仕組みづくり

2022年1月に「パートナーシップ制度規程」を新設し、法律上の婚姻関係にある配偶者と同様の社内制度や福利厚生を、同性パートナー及び事実婚のパートナーも対象としました。これにより登録したパートナー及びその子や親に対しても、特別休暇や育児・介護関連制度、慶弔見舞金規程等が適用されます。

現在、法律では定められていない同性パートナーシップを会社として認め、社内制度を適用することで、社員が安心して働き、パートナーとの育児や介護などのライフイベントを迎えた時にも仕事と両立し、将来にわたり活躍できる環境を整えました。さらに、法律婚にとらわれない新しい家族の在り方が広がっていることから、事実婚のパートナーについても対象に加えました。

また、匿名で専門の相談員に相談できる「社外相談窓口」を設置しました。

これらの取り組みが評価され、住友林業は職場のLGBTQ施策を評価する「PRIDE指標」で最高位のゴールド認定を2022年、2023年と2年連続で取得しました。今後も誰もが働きやすく、活躍できる環境づくりに取り組んでいきます。

住友林業オリジナルアライステッカー 住友林業オリジナルアライステッカー

住友林業オリジナルアライステッカー

障害者雇用の推進

住友林業では、障害者それぞれの個性と、職場・業務内容とのマッチングを最優先に考え、障害者雇用を推進しています。2023年12月末日時点の障害者雇用率は2.46%※1でした。また、入社後の定着率向上のため、必要に応じて定期面談や電話でのヒアリング、キャリアアドバイスなどを実施しています。

さらに、2018年度からユニバーサルマナー検定※2取得を推進しています。休業者等を除く全社員を対象に毎年3級の受講を進め、2021年度に住宅業界では初となる100%の受講率を達成しました。その後も新規採用者等に実施し、全社員取得を推進しています※3。同検定を通じて、障害者雇用の促進と定着を図るとともに、多様なお客様や取引先への接遇の向上を目指します。

※1住友林業及び特例子会社スミリンウッドピースと グループ適用会社スミリンビジネスサービスの合算値

※2高齢者や障害者、ベビーカー利用者、外国人など、多様な方々に向き合うためのマインドとアクションを身につけるための検定

※32023年12月までに育児休業者、長期休業者、出向者等を除き5,683名が受講完了

ユニバーサルマナー検定におけるグループワークの様子(2019年11月)

ユニバーサルマナー検定におけるグループワークの様子(2019年11月)

障害者雇用率
2023年12月末日時点
(単体※1

2.46%

障害者雇用の状況(単体)

2020 年度 2021 年度 2022 年度 2023 年度
障害者雇用率(%) 2.25 2.38 2.40 2.46

特例子会社スミリンウッドピース及びグループ適用会社スミリンビジネスサービスを含んで算出

障害者雇用の積極的な推進を目指して -スミリンウッドピース-

愛媛県新居浜市にあるスミリンウッドピースは、原木シイタケ栽培や、木工製品の製作・加工、印刷などを行うグループ会社です。2017年4月には「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく特例子会社認定を受けました。設立時5名だった障害者雇用者数も、業務を拡大する中で雇用を推進し、2023年12月時点で12名に増えています。今後もさらなる雇用促進と事業の安定を図っていきます。

木工製品加工の様子

木工製品加工の様子

選択型定年と定年再雇用

選択型定年の導⼊

住友林業は、2020年4⽉より、「選択型定年」を導⼊し、定年を65歳到達年度末(⼈事年度末3⽉31⽇)まで延⻑するとともに、本⼈の希望により満60歳の誕⽣⽇の前⽇まで定年を繰り上げることができる制度を導⼊しました。

65歳到達前に定年退職を選択し、出勤⽇数を減らすなど柔軟な働き⽅を希望する場合は、有期雇⽤契約(再雇⽤)によって働き続けることも可能です。

選択型定年導⼊前の定年再雇⽤率は、年度によるばらつきがあるものの、約8割で推移してきました。選択型定年導⼊後は、平均して90%以上の社員が60歳以降も働き続けています。

2022年度60歳到達者(正社員)の実績は88.9%(うち定年再雇用5人)です。

定年再雇⽤

2006年度より定年再雇⽤制度を導⼊し、勤続10年以上で特定の資格や経験があること、本⼈に再雇⽤の意思があることなどを条件に、60歳で定年退職した社員を最⻑満65歳到達年度末まで再雇⽤してきました。定年が一律60歳であった2020年4月以前は、毎年60歳到達者の約8割が再雇⽤を希望し、その社員の初年度再雇⽤率は100%を達成してきました。2020年4月以降毎年度、選択定年後の再雇用率も100%を達成しています。

選択定年導入後、65歳定年前に自身の事情によって選択定年し、定年再雇用を希望する社員が増えてきています。所属部署のニーズと本人の希望を聞き取り、例えば2年目以降は出勤日数を減らすなど必要に応じた個別対応をしています。契約した条件に固定するのではなく、フレキシブルに対応することで、シニア世代の社員が活躍しています。

シニア⼈財バンクセンター

2018年4⽉より「シニア⼈財バンクセンター」制度を設け、会社が必要とし、本⼈に再雇⽤延⻑の意思がある場合、定年再雇用の上限年齢であった満65歳到達年度末以降も70歳まで再雇⽤契約を延⻑することが可能になりました。さらに選択型定年が導入された2020年4⽉からは上限年齢を撤廃し、70歳以降の再雇⽤契約も可能になりました。

これまでに109名がシニア人財として登録され、2023年12月末日現在76名が就業中です。

そのうち、70歳以上は、12名(当社グループ会社での就業を含む)です。

再雇用希望申告制度

住友林業は、育児や介護など、やむを得ない事由で退職する社員の再雇用ニーズに応えること、優秀な人財を確保することなどを目的に、「再雇用希望申告制度」を運用しています。これは社員が自己の都合により退職する際、勤続3年以上などの一定の申告可能要件を満たしていれば、将来における会社への再雇用を希望することができる制度で、導入後、17名が再雇用されています。

退職事由が解消され、再雇用の申し出があった場合には、会社が雇用の必要性や本人の能力を勘案し、再雇用の選考を行います。また、退職から3年未満で再雇用となった際には、退職時の職能等級を引き継ぐことができます。

非正規雇用社員の正社員登用

近年、雇用形態による格差問題と関連して派遣制度の規制が強化される傾向にあります。住友林業では、有能な社員を登用するため派遣社員を「有期雇用社員(呼称:パートナー社員)」としての直接雇用へと転換できる制度を設けています。さらにパートナー社員から正社員に登用する制度も実施しており、2023年度は11名を正社員として登用しています。

また、障害者雇用枠で入社した有期雇用社員(呼称:チャレンジド社員)から正社員への登用制度も実施しています。

パートナー社員の正社員登用数

2020 年度 2021 年度 2022 年度 2023 年度 2024 年度
12名 17名 13名 12名 11名

各年度4月1日時点

チャレンジド社員の正社員登用数

2020 年度 2021 年度 2022 年度 2023 年度 2024 年度
1名 0名 1名 2名 3名

各年度4月1日時点

サステナビリティレポート
2024サイトマップ